『ウォーゲームハンドブック2013』より、 『激闘!川中島』をソロプレイ。
最初の主導権決定でいきなり同じサイの目。
上杉の移動と武田軍別動隊の移動がキャンセルされる。
これを見た信玄、「千曲川を渡って逃げる!」と宣言し、広瀬の渡しに移動。
続いて、山本勘助マーカーで本当に千曲川を渡ってしまう。
「わはははは、(逃げ足の)疾きこと風の如し」
「信玄、何しに来たんだ?」
Turn2
武田軍本隊の残り半分を率いる信繁も、無事渡河。
これで千曲川以北に武田軍はいなくなった。
謙信、気を取り直して全軍を南下させる。
「ふざけおって、このまま逃がしてなるものか」
だが、渡しの対岸は、もちろん武田の別動隊が固めていた。
ここで信繁、何を思ったか再び千曲川の北岸に戻る。
「上杉の背後を衝いたるでぇ」
敵が背を向けたので、やる気を出したらしい。
この時点で、両軍ともユニット損失はゼロ。
戦闘していないのだから当然だ。
武田を押し返した以上、史実的には上杉勝利か引き分けでよいと思うが、 ゲーム的にはそうはいかない。
【勝利条件】
最終ターン終了時に、除去した敵ユニットが多いほうが勝利。
同数であれば、武田軍の勝利。
つまり、このまま膠着すると、両軍「除去ユニット0」で武田軍の勝利になってしまう。
上杉軍は、無理を承知で攻勢に出なればならない。
ここで信玄、ハタと気づく。
「もう山本勘助マーカー使えないじゃん!」
主導権決定のダイス目が同じ(よくある)だと、両軍ともその行動フェイズには何もできない。
加えて、そのときの武田軍の陣形マーカーが山本勘助の場合、ゲームから除去されてしまう。
これは、武田軍のユニットが1個除去されたものとカウントされる。
よって、そのままゲームが終われば、上杉軍の勝利になる。
そんなリスクを負ってまで使えない。
もう使う必要もないんだが。
「あ~、いままで山本勘助が除去(よくある)されなくてよかった」
密かに胸をなでおろす信玄であった。
Turn3
千曲川を挟んで、謙信と柿崎景家が猛攻...と言いたいところだが、大河越しの戦闘では1ユニットしか攻撃できないので、大した損害は出ない。
秀吉ならずとも、「ハカのいかぬ戦をしたものよ」と言いたくなる。
一方、がら空きになっていた西端の渡しで、甘粕景持が渡河に成功。
東の渡しを固める武田軍の背後に回ろうとするが、別の武田軍に阻まれてしまう。
「ばぁ!ワシだよ~ん」
ひょっこり現れたのは、武田信玄その人。
「げええ、何で信玄がこんなところに!?」
スタックのいちばん下になっていたので、プレイヤー自身が所在を忘れて動かしていたのだった。
「(他のユニットに隠れて)静かなること林の如し」
「こうなったら、サドンデスにしてやる!」
と甘粕、ちょっとヤケになって攻撃してみたが、1戦力ビハインドなのでもちろん失敗。
投了
この先プレイしても、上杉軍に勝ち目はなさそうである。
上述のとおり、大河越しの戦闘では1ユニットしか攻撃できないので、武田軍が大きな損害を蒙ることはない。
(もちろん、武田軍は自分から攻撃などしない。)
退却で抜けた穴は別のユニットで埋め、退却したユニットは〈休息〉で回復させればよい。
上杉軍は、いかにダイス目が良くても、ルール上は攻撃を続けるほど戦力を失っていく。
あまり弱ってくると、本当に信繁に背後を衝かれるかもしれない。
さらに、うっかり渡河してしまった甘粕隊は退却の余地がないので、信玄が先に動いた場合にはたぶん壊滅する。
よって、これにて終了。
「わはははは。これぞ、(妻女山から)動かざること山の如し!」
信玄の哄笑が、川中島に響きわたった。