『志士の時代』ソロプレイ【第2回戦:戊辰戦争篇】

2022年11月10日木曜日

ゲーム 幕末

t f B! P L
『志士の時代』(ウォーゲーム日本史第8号)をソロプレイする
から続く。
今度は(戊辰)戦争だ!

第3ターン終了時
戊辰戦争まで、歴史ゲージあと1マス。
幕府軍は京での戦闘を避け、江戸に温存。

第4ターン 
お約束どおり、坂本龍馬は暗殺。

オークション終了時、各陣営の得点とカード構成(得点順)


(イ)〔薩摩・会津〕19点
下関戦争・薩英戦争・グラバーと、ちょっとトリッキーな手段で点を伸ばした。
佐幕と倒幕のバランスハンドだが、戊辰戦争への手当には不安が残る。

(ロ)〔土佐・一橋〕13点
勝海舟と坂本龍馬で歴史ゲージの進行に貢献。
山内容堂と徳川慶喜で「徳川内閣」を実現できるか?

(ハ)〔長州〕11点
初手で毛利敬親を取ると、長州モードになりがち。
完全に倒幕シフトなので、ここまでの得点はイマイチ。
戊辰戦争での活躍が期待される。

(ニ)〔薩摩・幕府〕10点
序盤の主役の島津斉彬と徳川家茂は、戊辰戦争前に死亡。
いろいろとシマッタ感のあるカード構成。
島津斉彬の余徳で西郷隆盛を取り、伊達慶邦も取って何とか形を作ったが、大丈夫か?

アクションフェイズ
勝海舟が歴史ゲージを進め、戊辰戦争開幕。
(坂本龍馬は暗殺されているので、薩長同盟VPは入らない)

幕府軍も会津軍も京にいないため、鳥羽伏見の戦いは発生せず。
倒幕軍あっさり京都占領。

(ニ)は西郷隆盛を持っているので、黒田清隆を取得。

(ロ)は「慶喜恭順」を宣言せず。
慶喜「江戸に温存した無傷の幕府軍があれば、徳川内閣も十分可能よ」

(ハ)手番
村田蔵六が、長州藩から京を通過して江戸を攻撃。
兵力は長州軍7(奇兵隊2含む)、幕府軍12と劣勢ながら、
戦闘修正は「村田蔵六+武器+官軍=+3
村田蔵六「撃て撃て、アームストロング砲のつるべ撃ちじゃあ!」

ダイスロールで勝った側は全く損害を蒙らないという豪快な戦闘システム。
そして、本国(江戸)にいる幕府軍は撤退もできない。
あれよあれよという間に幕府軍全滅、倒幕軍江戸城占領。

慶喜「えっ...えええ!? グラバーから買った武器、なんで幕府軍に付けてないの?」
山内容堂「いや、つい癖で土佐兵に付けちゃった」

これで「慶喜恭順」は宣言できなくなった。
土方歳三「えっ、俺の出番なし?」
そして、勝海舟の「江戸無血開城」も宣言できなくなった。
榎本武揚「えっ、俺も出番なし?」

(ロ)手番
山内容堂「もう尋常の手段では勝ち目がない。こうなったら...」
土佐、まさかの倒幕側寝返り。いまさら?
山内容堂「倒幕軍の手薄な京都を占領し、一発逆転!」
が、あえなく失敗。

もし成功していたら、
「佐幕軍が京支配、倒幕軍が江戸支配」
という状態になっていたのだが、戊辰戦争ゲージはどうなるのだろうか。
→FAQに記載あり。「倒幕軍江戸城支配」のまま。

(ハ)手番
山県狂介、長州兵を率いて江戸から会津に侵攻。
迎え撃つは、会津・仙台連合軍+新選組。
山県狂介「蔵六にばかりいいカッコはさせられん」
しかし、会津までアームストロング砲は運べなかったのか、敢え無く敗退。

ルール上、江戸も京も飛ばして長州まで撤退することになる。
敗残兵がばらばらに落ちのびて、長州で再集結するイメージだろうか。

江戸がガラ空きになったため、ゲージは「倒幕軍京の占領」に戻る。

慶喜「俺、ここで『慶喜恭順』を宣言しちゃダメかなあ? VP入るんだけど」
ルールが不明確だが、たぶん無理。
幕府軍がすでに全滅している状態で、恭順もヘチマもないだろう。

(ニ)手番
黒田清隆、長州軍撤退で江戸がガラ空きになったので、1兵力だけ進めて江戸城を再度制圧。

(イ)手番
今度は河井継之助が長岡から江戸に逆進撃するも敗退。
「くっ、ガトリング砲があれば...」
あれを牽いて越山はできなかったらしい。

読者はもう、何がどうなっているのか分からないと思うが、プレイしているほうも、
「俺、なんでこんなアクションしているんだっけ」
と混乱してきている。

(ニ)手番
満を持して西郷隆盛が薩摩を発し、会津攻略。
列藩同盟軍は仙台に撤退。

全プレイヤー、アクションできるカードがなくなったので、これにて終了。

ゲーム終了時
状況が目まぐるしく動いたようだが、戊辰戦争ゲージは

・倒幕軍京の占領(倒幕2)
・倒幕軍江戸城の占領(倒幕3、奥羽越列藩同盟3)

の間を行ったり来たりしているだけ。
よって、カードVPは「倒幕」と「奥羽越列藩同盟」からしか得られない。

各陣営の得点とカード構成(最終得点順)
※カードは、「倒幕」or「奥羽越列藩同盟」のみ抜粋。

(イ)〔薩摩・会津〕28点(+9点)1位→1位
戊辰戦争前の貯金でトップを保持。
松平容保は非常に使い勝手が良い。
佐幕でも奥羽越列藩同盟でも得点できる上、会津兵を動かせる。

(ニ)〔薩摩・幕府〕24点(+14点)4位→2位
戊辰戦争前の惨状から見れば、意外に躍進した。
西郷隆盛は、黒田清隆が付いてくるのが大きい。
実は、かなり本気でロッシュの【フランスとの同盟】による全員敗北を狙っていた。
(イ)の点数が、敗北しないところまで伸びたのでやめにしたが(やらなくてよかった)。

(ハ)〔長州〕23点(+12点)3位→3位
倒幕シフトの割に伸びが小さいのは、山県狂介が江戸を失陥した影響が大きい。
あれがなければ、「倒幕」VP3×5人=15点にはなっていた。
山県、これでは維新後の栄達も望めまい。

(ロ)〔土佐・一橋〕18点(+5点)2位→4位
早々に幕府に見切りをつけ、土方歳三と榎本武揚をゲットして蝦夷共和国の樹立を目指すべきであったろうか?
「慶喜恭順」「江戸無血開城」を宣言すれば、江戸がガラ空きになるので、倒幕軍は一足飛びに会津を攻略し、長岡と仙台を各個撃破できたかもしれない。
だが、それだと倒幕陣営のVPは却って下がってしまうので、実現は難しかった気がする。

コメント
幕末の状況は混沌としている。
幕府は江戸と一会桑グループに分裂していたし、薩長土は藩上層部と下層藩士で思惑が異なっていた。
普通は、これらを何とかふたつの陣営に落とし込んでゲーム化するのだが、本作は諸勢力をバラバラの状態のままでゲームにしてしまった。
正直、完成度が高いとは言い難い。
プレイしていても「何だ、このゲーム?」と思うことがしばしばあった。
が、にも関わらず、これまでにない「未来のゲーム」のプロトタイプをプレイしているようなワクワク感があった。
鈴木銀一郎、喜寿の作品である。

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