薔薇戦争について関連書籍を読んでみたのですが、どうも頭に入りません。
最大の理由は、似たような名前の人物がたくさんいて、区別がつかないことでしょう。
そこで、高野秀行『ミャンマーの柳生一族』に倣い、日本史人物になぞらえて雑に整理してみました。
時は1450年ごろ。
イギリス・ランカスター幕府のヘンリー高時(演:片岡鶴太郎)は、仏事にかまけて政務を顧みない無能な将軍でした。
ちなみに、 日本では足利義政が将軍に就任した頃です。
幕政は高時の側近が壟断し、諸大名や民衆は悪政に苦しんでいました。
ここで、関東公方リチャード尊氏(演:真田広之)が登場します。
将軍家の血を引く彼は、軍勢を率いて上京し、幕政の刷新を要求しました。
「幕府に不満を持つ諸大名よ、私とともに立ち上がれ!」
しかし、意外と人望がないのか、大半の大名は将軍を支持しました。
結局、リチャード尊氏はヘンリー高時に忠誠を誓わされるという屈辱を味わわされたのです。
3年後、ヘンリー高時は精神に変調をきたし、政務を執れなくなりました。
幕府に人材がいないので、リチャード尊氏が復権して摂政に就任します。
これに納得できないのが、ホランド義貞。
同じく将軍家の血を引く彼は、
「リチャード尊氏なんぞの風下に立てるかい!」
と叛旗を翻しますが、リチャード尊氏にあっさり鎮圧されてしまいます。
このままリチャード尊氏時代が続くのかと思いきや、ヘンリー高時が1年数ヶ月ぶりに正気に戻り、リチャード尊氏は解任。
「もう我慢ならん。将軍にふさわしいのはワシじゃあ!」
リチャード尊氏、今回はいきなり武力行使です。
前回と異なり、後に〈キングメーカー〉と呼ばれることになるウォリック時政も味方に付いています。
武闘派のウォリック時政、将軍旗を前にして毫も怯みません。
「将軍がナンボのもんじゃい!」
幕府軍に雨あられと矢を浴びせて潰走させます。
これが、第1次セント・オールバンズの戦い。
ちなみに、ゲーム『薔薇戦争』(GJ65号)はこの戦いで始まります。
幕府軍のエドマンド・ボーフォートはここで敗死しました。
いよいよ、「薔薇戦争」の開幕です。
(つづく)
《参考》
陶山昇平『薔薇戦争』(イースト・プレス)
ゲームジャーナル65号(シミュレーション・ジャーナル)