薔薇戦争を雑に整理する(2)から続く。
「何でワシが将軍になれんのじゃあああ!」
リチャード尊氏、荒れています。
関東(アイルランド)からロンドンに凱旋し、いよいよ将軍だと意気込んだものの、諸大名の支持を得られません。
反対派閥に容赦ないリチャード尊氏より、無能力だが悪人ではないヘンリー高時のほうがマシと思われたのでしょうか。
こうなると、ヘンリー高時の王妃と王子を取り逃がしたことが悔やまれます。
「こうなりゃ、王妃と王子を捕まえて、ヘンリー高時に譲位させるまでじゃ。吉野(スコットランド)に出陣!」
が、少数で突出したリチャード尊氏、待ち構えていた幕府軍に包囲され、あっけなく討ち取られてしまいます。
将軍になろうとした男・リチャード尊氏、ウェイクフィールドに死す。享年49。
「アニキ、何でワシを残して死んでしまうんじゃあ!」
孫策を失った周瑜のごとく慟哭するウォリック時政。
ちなみに、リチャード尊氏と一緒に、ウォリック時政の父も戦死しています。
跡継ぎのエドワード頼朝、このとき18歳。
ヨーク派絶体絶命です。
(つづく)